相続Inheritance

相続問題

よく、相続が発生したとき、遺族から、「法律通りに分けましょう」という言葉が出たりします。
相続問題は、実は、法律ではうまく解決できません。法律は、究極の手段。ナタ(鉈)の様なものです。ナタはなんでも切ることができます。法律も、どんな紛争でも法律を適用して、一応の終結を図る事ができます。しかし、それは、一応の終結であって、紛争の解決にはなりません。リンゴをナタで剥くと芯しか残らず、誰もが望まない結果となります。ナタではなく、小さなナイフで、リンゴの虫食いも考えて、丁寧に切り分けていく事が大切なのです。だから、法は、裁判ではなく、調停前置主義といって、まず、話し合いでの解決をしなければならないとしているのです。

当事務所は、むやみに争うのではなく、各ご家庭にあった解決を目指して、ご家族にあった解決方法を探ることを心がけています。
もちろん、話し合いの期待できない遺族がいるから紛争が発生するのですから、そう簡単なものではありません。
ですが、粘り強く、解決に向けてお手伝いさせていただきます。
また、現実には、紛争が勃発していない場合でも、将来の紛争を避ける方策を一緒に考えます。


相続手続

相続の手続きは、役所に行ったり、預金口座・保険・証券などの財産の調査を行ったりと、時間と労力がかかる作業です。
また、遺産分割など、法律的な知識が必要な場面も多く見られます。
相続人が1人であれば、その人が全ての手続きをすれば問題ありませんが、相続人が何人もいる場合や、親族関係が把握できていないことなども、よくある話なのです。

相続関係調査

相続人の把握を行う場合、戸籍や除籍などを取り寄せ、相続関係の調査が必要になります。相続関係調査は、預貯金の解約を行う際や、保険などでも必要です。銀行や保険会社の窓口で「戸籍を持ってきてください」と必ず言われます。
言われるたびに、戸籍や除籍、原戸籍といった書類を金融機関や保険会社に提出し、相続人と確認されないと、預貯金が解約できなかったり、保険金が受け取れなかったりします。


不動産の相続

相続の手続きで一番やっかいなのは、不動産の相続ではないでしょうか。
故人の方が生前に、遺言書を残していたり、死因贈与していれば話は別ですが、なかなかそこまできちんとやれる人は少ないかと思われます。
不動産も、高額で売買できるような不動産であれば、相続人で話し合って、分配できるかもしれませんが、不動産業者が査定できない不動産の処分をどうするのか。といった問題も多いのではと思われます。

上記の話のように、相続問題はややこしいことばかりです。
親族が助け合って、相続の手続きができればいいのですが、お金が絡む問題というのは、人を変えてしまうことが多く、
何かしらのトラブルに発展するものです。
その問題を引き受けるのが、弁護士なのです。
戸籍の取り寄せ一つにしても、役所に行ったり、郵送で書類を提出したり、すぐできそうで、結構時間のかかることばかり・・・。
精神的にも肉体的にも疲れる前に、是非一度弁護士に相談しませんか。


遺言作成について

尼崎桂木法律事務所では遺言書作成に関する様々なご相談に対応しております。

最近は、遺言の必要性を感じられている方が増えている様に思います。ご病気をきっかけとして、遺言作成のご依頼をいただきますが、多くの方は「そのうち書こう」「考えがまとまっていない」等の理由で、遺言の必要性を感じつつも、実際の行動に移しておられないのではないでしょうか。実際の人生のエンディングは、病気ばかりではありません。突発的な事故や病気、また、不幸にも認知症にかかり、遺言作成ができなくなる場合もあります。
お子様たち同士での円満な話し合いは、結構、難しいのが現実です。生前、親の意思をはっきり示しておくことが、大切なのです。

ただ、遺言も内容によっては、紛争の火種になってしまうものもあります。当事務所は、死後、遺族間に紛争が起こらない状況を作り出すお手伝いをいたします。
また、近時お子さんのおられないご夫婦の遺言作成のご相談を受けたり、ご依頼をいただいています。
配偶者だけではなく、兄弟姉妹にも相続権が発生します。残された配偶者だけが権利者となるよう遺言をとりあえず作成しておくことも方法の一つです。
自分達夫婦で作った財産について、自身の死後、配偶者が自身の兄弟姉妹に頭を下げて、判子をもらいに行く事のないようにしておくことは、配偶者に対する大切な思いやりになるかもしれません。